初動負荷トレーニングとは

片桐整形外科で整形外科専門医として診療を行っている、片桐 聡と申します。ここでは、B.M.L.T.についての解説を簡単にさせていただきます。とにかくまず体験してみたい方は、ワールドウィング富士宮での体験会にご参加ください。

初動負荷トレーニング(B.M.L.T.)

B.M.L.T.(Beginning Movement Load Training=初動負荷トレーニング)とは、株式会社ワールドウィングエンタープライズ 代表、およびB.M.L.T.生命医学研究所 所長である小山 裕史(こやま やすし)先生が創案、命名した初動負荷理論に基づいて開発された次世代のトレーニング法です。小山先生の経歴について詳しくはこちらをご覧ください。

初動負荷トレーニングは専用に開発されたB.M.L.T.カムマシンを用い、リラックスした状態の筋肉に適切な負荷を与えることで、人体にとって自然な筋肉の収縮を促し、神経系を鍛え適切な反射神経の活動を励起し、スムーズな身体の動きを可能とします。スポーツの世界でも名だたるアスリートが取り入れ、パワーの向上、関節可動域の拡大、怪我の予防や故障からの早期復帰に活用されています。興味をお持ちの方は、まずは小山先生の著書を読んでいただくと理解が深まることと思います。

奇跡のトレーニング  希望のトレーニング  小山裕史のウォーキング革命

スポーツに対する有用性は、これらの書籍を読んでいただければ十二分に理解していただけるものと思いますので割愛します。

医師の立場からB.M.L.T.を評価

医師の立場から評価すると、初動負荷トレーニングは理想的ともいえるトレーニング方法で、様々な疾患の治療、生活習慣病の予防にも活用でき、薬の量を減らしたり医学的な治療のみでは実現しえなかった機能改善を得られたりする可能性を秘めている、と確信をしています。

1.ダイエットに対する効果の実体験

ダイエットには効果的で、私自身もここ10年以上、多忙で全くと言っていいほど運動ができておらず、ベスト体重から7~8㎏ほど増量してしまっていました。そこで、当院に令和4年2月11日初動負荷トレーニングについての研究室を建設、初動負荷トレーニングマシンを4台設置し日々B.M.L.Tを実践してきました。トレーニング自体は自転車エルゴメーターよりも心肺機能に対する負荷は小さく(要するに疲れは少なく)、従来型のウェイトトレーニングのようなキツさもなく、気楽にトレーニングを継続できました。しかしカロリー消費は思った以上に多いようで、食事制限などはほとんどしておりませんが(せいぜい間食を控える程度。むしろ就寝前にプロテインを飲んだり、トマトジュースを飲んだりと筋肉が痩せないように気を使ったほどです)、4ヶ月で5㎏弱の減量に成功しつつ、筋肉量は維持かやや向上しています(体成分分析装置ITO-Inbody370Sで週1回計測。一般向けの体脂肪計より正確に計測可能ですが、年齢や性別などで補正をしないので非常に厳しい数字が計測されます。何故か市販の体重計より+1㎏~1.5㎏で体重が測定されます)。

トレーニングは2月11日から実施。グラフはそこから約3か月間の結果となります。

他にも家族の記録を取っていますが、同様に確実な体重減少が全員得られています。ダイエット目的としては、効率も極めて良くて、何よりも続けることが辛くないため高い効果があると思ってよいと考えます。

 

2.睡眠の質の向上やストレス軽減にも寄与

もちろん、初動負荷トレーニングだけですべてがうまくいくとは言いません。ダイエットや生活習慣病の改善には食事や睡眠、ストレスの軽減といった点にも当然配慮が必要です。が、食事はともかくとして、初動負荷トレーニングは睡眠の質向上やストレスの軽減にも寄与します。適度な運動がそれらに良い作用があることは一般にも知られていることですが、身体をリラックスさせる作用、血流改善作用、血中酸素濃度上昇などを持つ初動負荷トレーニングなら、闇雲に運動するよりもより確実に睡眠の質向上、ストレスの軽減に寄与するだろうことは容易に想像ができます。例えば、いわゆる「肩こり」がうつ症状の原因になっており、頸部周囲の筋緊張緩和により精神的な安定も得られる(うつ状態が改善する)とは医学的にも明確に言われていることで、初動負荷トレーニングによりある種のうつ症状を大きく改善できる可能性については容易に想像ができます。

3.生活習慣病にはもちろん、転倒予防や整形外科疾患にも

高血圧、糖尿病、高脂血症といったメジャーな生活習慣病に対する効果には強い期待ができます(運動がそれらに効果があるのは当然です)。続けやすい運動というのはそれだけで価値があり、また心肺機能に対する負荷が少ないのは病気や老化により衰えた身体を賦活するためには極めて重要なポイントです。

しかしそれだけではありません。私は整形外科医ですから、当然整形外科領域の疾患に対する効果を強く求めていますし、そこに確信めいたものも感じています。例えば骨折予防。反射神経が向上することで、転倒が大きく減る可能性があります。政府がロコモティブシンドローム予防として適度な運動を強く推奨していることから、これについては断定してしまってもいいくらいでしょう。初動負荷トレーニングも適度な運動には違いないのですから。加えて、反射神経の向上により身体はバランスを取りやすくなりますので、転倒予防についての効果は更に高いものがあると期待できます。また、適度な負荷のかかる運動により骨密度の上昇に寄与する可能性を考えます。身体が楽になって外出の頻度が増えれば日に当たる時間も増え、それも骨密度上昇を促すでしょう。他にも、筋肉の働きが改善することによって関節変形などの痛みも改善が期待できます。痛みの改善も安定した歩行に繋がり、転倒予防になるのは必然です。

神経障害性の疾患に対するB.M.L.Tへの期待

個人的に気になっているのは、末梢血流の改善及び末梢血管での酸素ヘモグロビン濃度上昇により、血流の不良により増悪する疾患の改善が見込めるのではないか、という点。動脈硬化を原因とする疾患、腰部脊柱管狭窄症のような神経への血流低下により症状悪化を招く病気に対する効果は、ぜひ研究のテーマにしてみたいとすら考えています。

既に本部である(株)ワールドウィングエンタープライズでは、神経麻痺などからくる四肢機能低下の方々に対しリハビリ(機能改善)合宿を行っており、全国から多くの方々が訪れています。私が本部を訪れた際、小山先生にパーキンソン病を患い、治療を受けるも病状の進行により仕事ができなくなった歯科医師が、初動負荷トレーニングを始め数年がかりで仕事へと復帰する過程を見せていただけました。しかもその記録は歯科医師当人が記録しまとめたもので、動画もあります。記録には本名を含めて公開をしてよい、とまで書いてありました。

初動負荷トレーニングで広がる選択肢

初動負荷トレーニングが病気で苦しむ方々全てを救う、とは言えません。しかしそれは医学的な治療でも同じことで。可能性のある選択肢が増えるのがいいことなのは間違いない。私は初動負荷トレーニングを広く知ってもらうことが絶対的な正義であると確信を持ち、第一歩として富士宮市へ初動負荷トレーニング指導提携施設を開設することとしました。一度体験してみれば、多くの方はその有用性に気が付くと信じて。

当院、片桐整形外科のリハビリテーションセンターにもB.M.L.T.カムマシンを令和4年7月下旬より4台設置し、リハビリテーションに大いに活用しています。片桐整形外科での初動負荷トレーニング体験会は好評のまま予定通り令和5年2月末日を以て終了いたしました。ワールドウィング富士宮でも体験会は常時開催しておりますので、ウェブまたはお電話(0544-66-9100)でご予約下さい。

体験会をご希望の方はこちらからウェブ予約を受付しています。

 

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